BFHの出産施設 どのような母乳育児のケアが受けられる?産後のママにとってのメリットは?

母乳育児

私が実際にBHFの総合病院でお仕事をしていた時、母乳育児が上手くいくように、産後のママたちへどのようになケアを行い、関わっていたのかについて、今回は具体的にお話していこうと思います。

母乳育児を頑張りたい方、または母乳をたくさん出すためにはどのような準備をしたほうがいいのか、について知りたい方は是非読んでみてください。

母乳育児成功のための10か条③すべての妊婦さんに母乳で育てる利点とその方法を教えましょう。

まず、出産施設内での母親学級、産後クラス編で、母乳育児のメリットについて妊婦さんである参加者へ説明をします。

中には母親学級を受講しない妊婦さんもいましたので、すべての妊婦さんに母乳で育てる利点を伝えるために、出産後1日目に授乳室で、産後1日目のママを集め集団でオリエンテーションを行い、母乳のメリットを口頭で説明していました。

また、母乳で育てる方法については、毎日、ママの担当助産師が最低1人はいますので、その助産師が必ず授乳指導を行い、母乳の吸わせ方、授乳のタイミング、本日の赤ちゃんの体重を説明し、手取り足取り指導をしていきます。

特に問題のない乳頭形態(乳頭の形や硬さ、長さ)の場合は、ママ自身で赤ちゃんにくわえさせることはできます。しかし、中には、乳頭の長さが短く、または乳頭が陥没していたり、ママが赤ちゃんに吸わせることが難しい場合もあります。

そして、ただ吸わせればいい、というわけではなく、深く吸わせること、それが重要なポイントです。

深く吸わせること、とはママの乳輪がすべて隠れるくらい、ベビーの口を大きく開き吸わせることです。

深く吸わせることにより乳頭からの刺激が脳へ伝達し、女性ホルモンであるオキシトシンやプロラクチンが放出され、母乳が作られ母乳が分泌します。

浅く吸わせていても刺激が脳へ伝達しないため、せっかく授乳をしていてもホルモンが作動せず母乳が作られない仕組みになっています。

初めてのママは特に深く吸わせることは、ほとんどの場合難しいです。したがって、担当助産師が深く吸わせるように、ママへ指導していきます。

④お母さんを助けて、分娩後30分以内に赤ちゃんに母乳をあげられるようにしましょう。

出産直後、赤ちゃんも元気であり、ママの出血も正常範囲内、ママも元気である場合はカンガルーケアを行っていました。

カンガルーケアとは、出産が終わった後、赤ちゃんをママの胸へとうつ伏せにして肌と肌を密着させること。これにより、赤ちゃんの呼吸が安定、体温保持、母子間の愛着形成を促すと言われている。

カンガルーケアを行っていると、赤ちゃんが自然とママの乳首を探します。がっつり赤ちゃんに母乳を吸わせようとせずとも、ポジションを少し整えてあげるだけで、自然と赤ちゃんは乳首に吸い付きます。

もし赤ちゃんが吸えなかったとしても、できれば30分以内に、遅くとも1時間以内には授乳をするように意識して行っていました。

それはやはり、母乳育児を勧めたいというBFHの出産施設で働く助産師の意識があるからです。

出産直後に赤ちゃんが吸いつけた場合は、ママの母乳育児の自信にもつながっていると、たくさんのママと赤ちゃんをみてきて思います。

⑤母乳の飲ませ方をお母さんに実地に指導しましょう。また、もし赤ちゃんをお母さんから離して収容しなけければならない場合にも、お母さんの分泌維持の方法を教えましょう。

残念ながら、赤ちゃんが生まれてから、赤ちゃんの呼吸の状態が落ち着かなかったり、体重が小さかったり、何らかの理由で赤ちゃんを保育器へ収容しなければならない場合があります。

そんなときでも、出産後2時間以内に乳房の状態をチェックし、搾乳を行い、母乳が出ているのであれば、母乳をすぐに赤ちゃんへ飲ませるようにしています。

すぐには直接授乳できない状況の中で、そのまま授乳や搾乳をしないと母乳分泌が促進されないため、出産後からすぐに大体3時間ごとで搾乳をするように促します。3時間ごとにママの病室へ訪室し一緒に搾乳をしていました。

母乳の分泌を促進するためには、出産後24時間以内に8回以上、授乳する、もしくは搾乳することで母乳分泌が促進されると言われています。

⑥医学的に必要でない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう。

赤ちゃんは生れてから2-3日分のお弁当と水筒を持って生まれてくる、と言われています。赤ちゃんの予備力にもよりますが、母乳が出るまでの間、生後3日目くらいまでは何も飲まなくても、体内の脂肪分や水分を分解しエネルギー源とするため、2-3日は何も与えなくてもよいとされています。

しかし、赤ちゃんの出生体重から10%以上体重が減っていたり、低血糖になっていたり、黄疸が強く出ている場合は、医学的に必要な範囲であるため、ミルクをあげることがあります。

どうして母乳以外の栄養や水分を与えてはいけないのか?

それは、ミルクをあげてしまうと赤ちゃんのお腹が満腹になり、長く寝ることがよくあります。それにより授乳する回数が減ってしまうからです。母乳分泌を促すためには頻回の授乳が必要です。

したがって、母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょうと記されています。

BFHの出産施設で働く助産師は、できるだけ母乳で育てられるよう、ママの乳房をマッサージし、母乳の分泌を促したり、背中をマッサージしたり足浴したりして血流を促し、母乳の分泌を促します。

⑦お母さんと赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母児同室を実施しましょう。⑧赤ちゃんが欲しがるときは、いつでもお母さんが母乳を飲ませてあげられるようにしましょう。

母乳は赤ちゃんが欲しがるだけあげましょう、頻回授乳をすることで母乳がたくさん出ますよ、とママにも伝えていました。

もし、赤ちゃんをナースステーションで預かっていた場合、赤ちゃんが欲しいときに授乳ができず、ママが授乳をする機会が奪われてしまいます。

母乳の分泌を促すためにも、ママと赤ちゃんは母児同室をして、赤ちゃんが泣いた時はすぐに授乳できる環境にしていました。

時には赤ちゃんをナースステーションで預かるときもまれにありました。しかし、そんな時は、ミルクをあげるのではなく、「赤ちゃんが泣いているので授乳をお願いします」、とママへ伝え赤ちゃんをママの元へ連れて行き、授乳をしてもらっていました。

そのことにより、授乳の回数が増え、母乳の分泌を促していたのです。

⑨母乳で育てている赤ちゃんにゴムの乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう。

BHFの出産施設には、ママが簡単に使える哺乳瓶はなく、泣き止ませるためにおしゃぶりをあげることはありませんでした。そもそもBFHの出産施設には、おしゃぶりはありませんでした。

ゴムの乳首やおしゃぶりを使うことで、赤ちゃんがそれに慣れてしまい、母乳を吸えなくなることがあるためです。

どうしても、直接母乳が飲めない場合(扁平乳頭や陥没乳頭など)は、カップに母乳を入れてコップで飲むように、こぼさないように助産師が赤ちゃんに飲ませていました。哺乳瓶に慣れてしまうと、赤ちゃんは本当に直接授乳を嫌がります。

こぼさないように、貴重な母乳を飲ませるため、これはとても時間がかかります。これも助産師の熱意がないとなかなかできないことだと思います。

まとめ

母乳育児成功のための10か条は、母乳の分泌を促すための教訓なのです。

BHF以外の出産施設であれば、赤ちゃんを簡単に預かり、ママの休息を促します。その間赤ちゃんは容易くミルクを飲ませられるでしょう。

どちらがいいかはママ次第です。

母乳育児をとにかく頑張りたい、たくさん母乳を出したい、というママにとっては、BFHの出産施設の方が母乳育児を成功させるためにはしっかりとしたケアが受けられます。

しかし、そこまで母乳育児のこだわりがないママにとっては、BFHの出産施設は厳しい指導に思えるでしょう。

したがって、ママが無痛分娩がしたい、水中出産をしたい、フリースタイル出産がしたい、などと出産方法を考え出産施設を選ぶことと同じように、もし、母乳育児を絶対に成功させたいという強い希望があれば、BFHの出産施設を選ぶことをお勧めします。

今回はBFHの出産施設について、私が以前お仕事をしていた出産施設のことをお伝えしました。この内容がすべてのBFHの出産施設に当てはまるわけではありませんが、少しでも参考になればいいなと思います。読んでいただきありがとうございました。

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