前回の記事では、助産師ママが出産予定日を過ぎても陣痛が始まらず、入院することとなる経過をお伝えしました。
今回の記事では、入院してからの過ごし方、出産の経過、出産後の助産師ママの気持ちについてお伝えしたいと思います。
クリニックへ向かう車の中
入院することになり、痛みに耐えながら車で1時間の道のりを夫に運転してもらい、クリニックへ向かいました。
後部座席で抱き枕にしがみつき、車内で揺られながら過ごしました。
リラックスするようにソフロロジーの音楽を聞いていました。
お腹の痛みが始まってから、この時が一番リラックスできていたのではないかと思います。
お尻が痛かったから赤ちゃんの頭も結構下がってきているんじゃないかなぁ?
と期待。(個人差はありますが、陣痛が始まってからは腰が痛くなり、お産が進んでくると赤ちゃんの頭が下がってきて、お尻が痛くなってきます。)
子宮口は3cmくらい開いているかな?
と予測。(子宮口が10cm開くと子宮口はすべて開き、赤ちゃんの頭が下がってきて出産となる)
クリニック到着
10時過ぎ、クリニックに到着。11時頃、助産師さんに内診をしてもらうと、
「1cm開いてますね。」
・・・・ガーン
まだまだ1cmかぁ。泣
「でもペラペラで薄くなっているので、進んでくると思いますよ。」
と言われました。(子宮の出口が柔らかく薄くなることを子宮口の展退がよくなるという。柔らかいと子宮口は開きやすい。子宮頸管と言われる赤ちゃんが通る道はちくわ状となっているが、臨月になるとその子宮頸管は短くなる。出産が近づくと徐々に薄くなってきて、子宮口が開いてくる。一般的には初産婦さんの場合は子宮口が開いてきて子宮口の展退が薄くなるが、経産婦さんの場合は展退が薄くなり子宮口が開いてくる。)
振り返ると8時から10分以内で毎回痛みもありました。8時から陣痛は始まっているようです。
部屋に入り、買ってきたコンビニのおにぎりを食べ、おしりフリフリ体操をしたり(骨盤の歪みを整えるため、お産が進むことがあると言われている。破水をしたり陣痛が強くなったりすることがある。)、横になって休憩をしたりしました。
破水
16時頃、NSTモニター(赤ちゃんの心拍数を測り、陣痛がきているのかどうかを測る装置)を付ける、とナースコールで言われたため、モニターを付ける前にお尻フリフリ体操を行いました。
そしてモニター装着、助産師さんが部屋から出て、陣痛がくるとばしゃっと水が流れてきました。
破水です!
おしりフリフリ体操の刺激で破水したのかなと思います。
よし!これでまた陣痛が強くなったり、子宮口が柔らかくなったりしてお産が進むぞ!と期待。
18時になり、夕食が届きました。ステーキでした。しっかり食べると陣痛も強くなるため、私はほぼ食べきりました。(子宮は筋肉であるため、陣痛を強めるためにはエネルギーが必要。)
するといっきに陣痛が強くなったのです。
破水したこととエネルギー摂取により陣痛が強くなってきました。
すると私は、急に痛みが強まったことで、我慢できずに・・・痛みがくると大絶叫。
クリニック中に響き渡る声で「いやぁーーーー」と叫んでいました。
20時頃、いきみたい感じが出てきました。赤ちゃんの頭が下がってくると神経を圧迫するため、錯覚により自然と怒責をかけたくなります。
私はもうあと2時間くらいで生まれると予測しました。子宮口も8-9cmくらいは開いているんじゃないかな、と予測していました。
助産師さんに内診をしてもらうと
「まだ4cmだよ。いきんだらだめだよ。」
ガーン・・・・
「えぇーまだ4cm。」
心の声を漏らさずにはいられませんでした。
すごくショックで泣きそうでした。
こんなに痛いのにまだ4cmなのか。もう生まれると思っていたのに・・・。
私助産師なのですが、全くお産の進行が読めていません。
この調子だと、早くて明日の朝方くらいまでかかるだろうな・・・と絶望。
明日までこの痛み耐えられるのかな、と不安。
助産師として産婦さんを勇気づけ、支える立場ですが、自分自身の気持ちを上げることはできず、心折れていました。
大絶叫の出産
そんな中、実母と妹が私をサポートするために来てくれました。
夫が付き添ってくれていたのですが、まだまだ時間がかかりそうだったので、夫が休憩をとるために実母と妹に付き添ってもらい、夫には休憩室で休んでもらうようにしました。
4cmの診察から1時間が経過し21時になりました。
もう一度内診をしてもらうと8cmほど開いています。
私は嬉しくなりもうすぐだ!と頑張ることができました。ずっと叫びっぱなしでしたが・・・。
そしてそのまた1時間後、22時、夫と実母、妹に見守られながら出産することができました。
もともと、フリースタイル分娩を希望しこのクリニックで出産をしたい、と思っていました。
自分が楽な姿勢で、横向きや四つ這いもしてみたいなぁなんて、出産する前は思っていましたが、姿勢のことなんて考える暇はありませんでした・・・。
助産師さんが背中にクッションを置いてくれて、そこに寄りかかりながら(セミファーラー位)、畳の上での出産でした。
まさかの大絶叫。
バースプランに書いていた、赤ちゃんが生れるときに手を添えながら赤ちゃんが出てくるのを支えたいという私の希望が叶いました。
しかし、赤ちゃんが生れてきてくれた時の、私の第一声は「ごめんね。」でした。
ビデオカメラで動画を撮影していましたが、その時のモニターを見ると、赤ちゃんの心拍数は下がっていました。
それでも、赤ちゃんは元気に生まれてきてくれました。
助産師でありながら、呼吸をしっかりと行い赤ちゃんに酸素を届けてあげなければいけない、と、わかってはいました。でもそれが痛みにより全くできていませんでした。
陣痛の時は、赤ちゃんのことが考えられなくなっていました。
出産後の気持ち
出産を頑張ることができた、乗り越えられたという感動や達成感よりも、ごめんねという気持ちと、元気に生まれてきてくれて本当にありがとうという気持ち。
私の初めての出産はこのような気持ちで終わりました。
赤ちゃんが元気に生まれてきてくれたので、初めての出産が大絶叫となってしまい、後悔している、悲しい、などの気持ちはありません。
でも、二人目の出産はもっと呼吸に意識をして、赤ちゃんのことを考えながら、赤ちゃんと一緒に頑張っているという気持ちで出産したいと、自分の第一子の出産を振り返り考えました。
そして、出産を経験した私。今まで以上に出産をするママたちのことを尊敬する気持ちが出てきました。私は痛みに耐えられず大絶叫となってしまったけど、静かに痛みに耐えている産婦さんたちが本当にすごいと心から思いました。
第1子出産後は、出産をするママさんたちに敬意を払いながらお仕事をするように、仕事への姿勢が変わったと思います。
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