母乳育児 助産師ママがやってみて実際はどうだった?

母乳育児

前回の記事では、母乳育児のメリット・デメリットについてお伝えしました。

母乳育児のメリット・デメリットを理解した上で、私は母乳育児を選択しました。

今回は、実際に母乳育児をやってよかったと感じたことは、どのようなことだったのか、などについてお伝えしていこうと思います。

3人の子どもたちの母乳育児

完全母乳(母乳以外の水分を与えずに母乳のみで育てること)は心身ともにとても大変である、ということを私はお仕事をしている上ですごく感じていました。

寝不足にはなるし、おっぱいも痛くなるし、ミルクに頼れないって本当に大変だよな・・・と思っていました。

以前、私はBFH(Baby Friendly Hospital 赤ちゃんにやさしい病院)という、母乳育児を推進する総合病院でお仕事をしていたこともあって、それはすごく感じていました。

そこで働いていると完全母乳で退院される方がたくさんいましたので、大変だろうけど、すごく難しいことではないと思っていました。

一人目の時は、完全母乳ってどのくらい大変なのかを、身をもって体験しよう、と思い、完全母乳に挑戦してみました。

本当に大変すぎて、生後2日目に断念しミルクをあげました。完全母乳は本当に難しかったです(私の性格上難しかったです。個人差あります)。

結果、3人とも1か月前後まではミルクと母乳の混合栄養でしたが、1か月以降は母乳のみになりました(3人とも生後1か月までミルクをあげているため、私の場合は3人とも完全母乳ではない)。

そして、もともと完全母乳に強いこだわりはなかったのですが、完全母乳にこだわる必要は全くないなと、3人の母乳育児をしてみて私は感じています。

メリットだと感じられなかったこと

免疫

免疫が獲得できると母乳のメリットにあげていましたが、わが子の場合は、その効果は目には見えず。

長女のお姫の時は、1歳未満で熱が出たのは1回のみで、感染症には罹らずでした。

長男のやさおと次女の姫子は、1歳未満の時、母乳で育てていても、お姫ややさおから風邪を移され、熱が出ることが何度かありました。

きっとママからの免疫が移行していたんだろう、と思います。しかし効果は目には見えなかった。

それは身体の中で起こっていることだから、実感することが難しい、目に見えるものではないと思いますが。

母乳で育てていたので罹りにくくはなっていたのかもしれませんが、やはり上の子がいると移ってしまいます。

免疫の効果を感じることはできず、免疫という点では、母乳育児をしていてよかったなぁーとは実感できませんでした。

アレルギーになりにくい?

長女お姫は4歳のころからアレルギー性皮膚炎になりました。夜中に首回りや手指などの関節部分を掻いていて、見るからにかわいそう。

それに対して長男やさおと次女お姫はつるつるのぷにぷにのお肌

3人とも、生後1か月までは混合栄養。1か月以降はほぼ母乳で育てたので、そんなに母乳栄養の効果は変わらないはずですが、お肌の状態は全く違います。

やはりそれは、我が家の場合は、もともとの肌の性質、遺伝によるものが大きいのかなと思います。

月経再開

前回の記事で母乳育児のメリットは排卵が抑制されることがある、と書きました。

私の場合、1人目の時は産後1か月健診でエコー検査をして子宮の中を見てもらったときに、

「もうすぐ、排卵しそうですよ」

と医師に言われました。

「え・・・」驚きました。

まだ出産をして2か月経っていないのに、もう次の子どもを妊娠できる身体になっているなんて・・・すごく健康的なことで、幸せなことではあると思いますが。嬉しい気持ちにはなりませんでした。

1人目の時は、産後2か月の終わりに月経が再開。

2人目の時も、産後2か月の終わりに月経が再開。

3人目の時は、産後4か月で月経が再開しました。

月経が再開したころ、母乳のみで育児をしていましたが、私の場合は排卵は抑制されませんでした。

赤ちゃんが吸啜することによりプロラクチンの濃度は上昇し、母乳が作られ、プロラクチンの濃度が高いと排卵が抑制されます。

したがって、授乳をしない場合は、プロラクチン濃度が低下するため、排卵が再開することになります。6時間以上授乳間隔が空くと月経が再開すると言われています。

私の場合、生後2か月で夜間6時間以上、授乳間隔があくことがありました。

したがって、私の場合は、授乳の間隔が空き、プロラクチン濃度が低下したため、排卵が抑制されずに月経が再開したのです。

デメリットだと感じられなかったこと

預けられない?

ほぼ母乳育児だったので、生後4か月くらいになると3人とも哺乳瓶は嫌がるようになり、ミルクを飲むことができなくなりました。

預けられなくなるから、哺乳瓶に慣れておくために1日に1回はミルクをあげよう、と妊娠中は1人目の時も、2人目の時も、3人目の時も、毎回思っていたのですが、母乳だけで足りていたわが子に、ミルクをあげる手間がだんだん面倒に感じてしまい、ミルクをあげることをやめたら、哺乳瓶を飲めなくなってしまいました・・・当然のことです。

哺乳瓶でいつでもあげられる状況にしておきたい、という方は1日1回、赤ちゃんによっては1週間に1回でもいいので哺乳瓶でミルクをあげておくといいです。

したがって、母乳をあげてお腹がすくまでの間しか、赤ちゃんと離れることができず。お買い物や美容室などのお出かけは、出発し、用事が終わるとすぐに帰る、赤ちゃんのことが気になってゆっくりは過ごせない、という状況でした。

しかし、離乳食が始まりよく食べるようになると、少しお腹が空いていても離乳食や赤ちゃん用のお菓子を食べることもできたし、1歳を過ぎれば日中は特に、母乳を飲む回数も少なかったので、保育園や家族に預けることは可能でした。

ゆっくり自分時間がとられない、ということはありましたが、預けられなくて大変なのは、生まれてから1年間くらいでした。その点に関しては、私はそこまで負担には感じず、母乳育児のデメリットだとは思いませんでした。

私の場合は、赤ちゃんが夜中によく寝てくれていた、というのもあり、自分時間は夜、赤ちゃんが寝た後にとることができていたので、赤ちゃんがかわいすぎて、日中に赤ちゃんと離れて出かけたい、とは、私は思わなかったです。

(夜中に頻回授乳となる時期もあり、その時は一人時間が欲しい・・・と思うこともありました。)

メリットに感じたこと

ダイエット

ダイエットに関しては、私にとってはすごくメリットが大きかったです。

妊娠前の体重は51kg。一人目の出産直前では、58kg。産後1年で47kg。

2人目の妊娠前の体重は49kg。出産直前は58kg。産後1年で47kg。

3人目の妊娠前の体重は48kg。出産直前は55kg。産後9か月で49kg(←現在ここ)。

運動や無理な食事制限はしていません。

特に2人目の時の産後はすごくお腹が空きました。3人の中で一番母乳を飲んでおり(3人目が一番、1日の体重増加量が多かった)、母乳による消費カロリーが高かったからだと思います。

お昼ご飯を食べたのに、授乳をすると、お昼ご飯を食べる前の空腹感を感じていました。なので、朝食を食べてお菓子を食べ、昼食を食べてお菓子を食べて、最後に夕食もしっかり食べていました。

そんな暴飲暴食をしていましたが、見る見るうちに減っていきました。

今までの人生の中で、産後以外で、一番ダイエットに成功したことが結婚式前でしたが、その時でも49kgほどでした。

その時は必死にカロリー制限をして2時間ほど毎日走り込みをしました。

その時よりも容易く、そして結婚式前よりも2kgほど軽く痩せることができたのが、母乳ダイエットでした。

私の人生の中で一番効果があったダイエット方法が母乳です。

※赤ちゃんにより母乳を飲む量が異なり、母乳で消費するカロリー量や、摂取カロリー量、活動量なども各々で違うため、必ず母乳育児をすればこのくらいダイエットができるというものではありません。

母乳育児をしてみてよかったなと感じること

母乳育児をしていて、私が一番よかったな、と感じること、それは、「幸せを感じることができた」ということです。

どんなにイライラしていても、赤ちゃんに授乳をすると、ふわぁーっとそのイライラが驚くほどに消え、癒し~っていう感じでふぅーっと安心できます。(語彙力がなくてすみませんが)

これは授乳をしていないと感じられない気持ちだと思います。

わが子でなくても赤ちゃんや動物、推しのアイドルなどを見ると癒されますよね?

そのほか、ペットや彼氏や、人によっては旦那さんだったり・・・。好きな人に抱きしめられているような、私にとってはそれ以上の安心感、癒しの時間でした。

人間はオキシトシンというホルモンの影響でそのような幸せな気持ちになりますが、授乳するときにもそのオキシトシンのホルモンが分泌され、幸福感をもたらしてくれます。

オキシトシンは幸福ホルモン、幸せホルモンとも呼ばれています。

私は他では味わえない、この感覚がとても大好きで、2人目も、3人目も母乳で育てたいという気持ちで母乳をあげる選択をしました。

現在3人目の母乳育児をしていますが、授乳をやめることがすごく寂しく感じそうで、赤ちゃんではなく、私が卒乳できるのかなぁと今から不安になっています(4人目は考えていないため)。

授乳をやめたくない気持ちです。

まとめ

もちろん、母乳育児をすることは、人によっては簡単だという人もいれば、嫌だなという人もいます。価値観や性格が違うのと同じで母乳育児についても考え方が人それぞれです。

赤ちゃんはミルクでも、母乳でも大きく育ちます。

完全母乳なのか、混合栄養なのか、人工栄養なのか、ママがどのように育てたいのか、を妊娠中に考えてみること、そして、その考えてみた母乳育児をトライしてみること、それを大切にしてほしいです。

自分が考えた方法が、上手く成功できれば、自己肯定感も高まり育児への自信にもつながると思います。自信が持てると赤ちゃんへ笑顔で接する時間が増えるかもしれません。

だから、考えることが大切だと思っています。

しかし、母乳育児は簡単そうで簡単ではありません。

妊娠中にイメージしていた母乳育児にならなかったとしても、どのように母乳育児をしていきたいのか考えトライしただけでもいいと思います。

一生懸命頑張り、それが上手くいかなかったときに、「上手くいかなかったけど、これだけわが子のために頑張れたんだ」、「これだけ努力できたことは素晴らしいことだ」、と母親になった自信につなげてほしいなと思います。

母乳育児をやってみて、ミルクもあげてみて、どの方法がママと赤ちゃんが楽しく、笑顔で過ごせるのか、ということが私は一番大切だと思います。

完全母乳や人工栄養、他の人の経験談にとらわれず、ママである自分自身とわが子である赤ちゃんにとっての唯一の授乳方法を探してほしいなと思います。

長々と書きましたが、結論、ママと赤ちゃんが笑顔で過ごせるのであれば、ミルクでも母乳でもどちらでもよいということを言いたいです。

この記事を読んで、母乳育児について少しでも考えるきっかけになればいいなと思います。

読んでいただきありがとうございました。

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